エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

非正規レジスタンス

夕立が来た。雨上がりの道路を自転車で帰る。湯気が立ちそうな暑さだ。石田衣良の「非正規レジスタンス」を読む。非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク〈8〉作者: 石田衣良出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 1人 クリ…

脳は物理学をいかに創るのか

ようやく内閣改造が決まりそうな雲行きになってきた。福田内閣のフットワークの悪さにはいらいらを感じていたので、何にせよ物事が前に進むのは歓迎である。公明党も年内解散を言い出しているので、いよいよ福田さんも腹のくくり時と思っているのかもしれな…

夏の夜の怪談話

昨日の夕方、下鴨神社の御手洗祭に出かけた。神社の東に小川が流れていて、そこをろうそくをもってすそをからげて川の中を歩く。川を渡ったところにある神社にろうそくをお供えすると、一年間息災に過ごせるという祭りである。泉から湧き出た川の水が冷たく…

確実性の終焉

暑さが続く。今日も36度近い気温で外に長くはいられない。京都も3年目だが、今年が一番暑くなりそうだ。朝涼しいうちに研究室に行って午前中で切り上げてきた。イリヤ・プリゴジンの「確実性の終焉」を読んだ。確実性の終焉―時間と量子論、二つのパラドク…

甘利先生の本質

今日は嬉しいニュースがあった。修士、博士と5年間一緒に仕事をしたA君が8月1日付けで同じ研究室の助教になることが教授会で決まった。これで本人も腰を落ち着けて今の仕事に全力投球できるようになるだろう。若い人がどんどん上がってくるので、こちらも…

山中ファクター

毎日暑い日が続いて少しばて気味。家内が栄養ドリンクを買いこんできた。今日は研究室のシミュレーション勉強会で1時間しゃべり倒したら結構ばてた。こんなことでは、10月の3時間の集中講義が思いやられる。うまくペース配分をしておかないと、話がいい…

趣味で相対論

下の子の6歳の誕生日。何か記憶に残る事をということで、家内の提案で関西サイクルセンターに一泊旅行にでかける。アトラクションとプールとBBQ。プールで通算7時間も子供を見ていたので、すっかり日焼けする。それにしても暑かった。 広江克彦の第2弾・…

「百万円と苦虫女」を観る

四条に出て、タナダユキの「百万円と苦虫女」を観る。もちろん蒼井優目当てであったが、森山未来がうまい受身の演技を見せていた。まあたわいのないロードムービーと言ってしまえばそれまでだが、蒼井優の不思議な存在感は料金分の満足感を与えてくれる。

明治維新と戦争の実体

高橋五郎の「天皇の金塊」を読む。天皇の金塊作者: 高橋五郎出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2008/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (7件) を見る広瀬隆と同系列のいわゆる裏面史ものだが、どうもこの手の本に弱い。趣旨…

趣味で物理学

同じキャンパスで神経解剖学を教えているK先生のホームページを見ていたら、K先生は実はシステム神経科学の硬派であることがわかった。うれしくなってホームページの「読者のコメント」にあてて感想を送ったところ、早速返事が来た。鎧袖一触。「ニューロン…

傷だらけの天使

ゆっくり夏を過ごすつもりだったのに、何だかあれこれ係わり合いが増えて予定表が埋まっていく。とにかく自然体でやれることをやろうと思う。今日は6:15から百周年記念館で福岡伸一氏の講演を聞く。つかみはなかなか考え込ませるいい話だったのに、本論は「…

鱧と井上靖

梅雨が空けて、山鉾巡行も終わった。とうとう暑い夏がやってきた。今年の夏も長くなりそうだ。夏が来ると一度くらいは鱧を食べなければすまないのだが、さて今年はどこで食べたものか。お手軽に済ますのならば、実は生協食堂でも出してくれるのだが、それも…

祇園囃子と「無」の哲学

3回目の祇園祭。宵々々々山に行く。祇園囃子を生で聞くと夏の訪れを感じる。今年は人出がまだ少ないので、長刀鉾の粽を買えた。そのあと子供につきあって細い通りに入り、夜店をひやかす。子供は大喜びである。こうしていると、自分の子供のころの祭りのわ…

時間について

NHKが全英のテニスの再放送をしてくれたので、家内と見入る。すばらしい試合だった。今まで見た中で一番印象に残っているテニスの試合は、20年前にみたマッケンロー対レンドルの全仏だったが、それに匹敵する。家内は、どうやらテニスを習いに行く事にした…

ストレングスファインダー

梅雨が明けたかと思わせる暑さである。今日は朝6時に出勤したが、12時半にはとっとと帰宅したので、暑さの中、自転車をこぐことになってしまった。准教授が栄転して研究室のスペースがかなり空いたので、徐々に模様替え中。まずは、談話スペースができた…

ペンローズの<量子脳>理論

昨日の学会でのトークは割りと反応がよく、気分良く晩御飯に出かける。渋谷のハチ公前で年下の友人と待ち合わせて(ハチ公の角度が以前と90度違うような気がするのだが、単なる記憶違いか)、パルコの近くのせいろ蒸し屋に入る。豚肉のせいろ蒸しを白ワイ…

神経科学大会がはじまる

東京国際フォーラムで神経科学大会が今日から開催。8時半からイメージングのセッションがあるので張り切って昨日の夕方に移動しようとしたところ、米原で人身事故があって、新幹線に乗れたのは予定時刻の2時間後。iPodを聞きながらひたすら辛抱。目が早くさ…

永遠回帰の海

ここ数日、京都はうだるような暑さである。祇園祭の人ごみのようだ。長い夏になりそうである。立花隆の「永遠回帰の海」立花隆が写真家と二人でギリシア、トルコの遺跡を強行軍で走破した記録。思索紀行。私はこの本ではじめてアトスの存在を知った。古代か…

ポジ・スパイラル

6年使ってきたノートPCがついに絶不調になった。これで学会のトークをするのはさすがに怖くなってきたので、思い切ってレッツノートを購入。26万5千円なり。DellやDynabookならば10万円近く安く買えるので悩ましいところだが、あの軽さは何よりの魅力…

あちら側の世界

IT

来週は、東京で神経科学会大会がある。トークの予定が入っているが、夏物のスーツに合わせるネクタイがないので、四条河原町の高島屋に買いに行く。5千円のネクタイを2本買う。ジュンク堂をのぞいて、高島屋の地下で「ベーグル・ベーグル」のベーグルを買…

京都大学という牧場

奈良先端大のグループとの研究打ち合わせ。前半は実のある話し合いができたが、後半で、投稿中の論文の改訂について院生のT君の話になって雲行きがおかしくなってきた。 気がついたらつい説教口調になっていて、後味が悪かった。他の研究室の院生の研究態度…

生命原理と自己説明する宇宙

今日は奈良先端大のS先生と3ヶ月ぶりくらいに共同研究の打ち合わせの予定。S先生とは馬が合う。考え事をする仕方が似ているのだと思う。その点で、研究者は2つに分かれると思う。一方は、discussする相手を必要とする。時間をかけて徹底的に議論する事で自…

井上靖のことを想う

京都は井上靖が長い大学生活を送った町である。最近は井上靖を読む人がいるのかどうか。私にとって井上靖は、人の心に詩が住んでいるということを分からせてくれた人だ。人の世に住むのに倦んだときに、井上靖の小説はふさわしい。広く知られているとは思わ…

異形のビルドゥングスロマン

SF

今日、研究室の人事異動が発表された。教授の苦心がわかる人事だった。とにかく人を動かすことは難しいのだと最近つくづく思う。ほぼ常に、自己評価が客観的評価より高いことから考えると、結局全ての人が納得する人事はないのだから。ジョン・スコルジーの…

神は妄想である

リチャード・ドーキンスの「神は妄想である」を読んだ。神は妄想である―宗教との決別作者: リチャード・ドーキンス,垂水雄二出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/05/25メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 257回この商品を含むブログ (183件) を見る爽…

学力低下は錯覚である

10日前に行ったイメージングの授業の学生からのコメントが、事務からメールで届いた。感想はさまざまで注文をつけているものもあるが、9割がたは好評でほっとする。1時間半の予定が1時間10分しか話せなかったので、それをどうするかが来年の課題であ…