エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

上皮間葉転換とがん幹細胞

上の子は1年半くらい前から編み物教室に行っている。夏くらいからコンクールに出すんだといって、変わった靴下を編んでいた。いろいろな飾りがついていて、それぞれことわざを表している(「猫に小判」とか)のが本人苦心のアイデアらしい。それが昨日知ら…

新ネットワーク思考

アルバート=ラズロ・バラバシの「新ネットワーク思考」を読む。評価は4つ星。新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く作者: アルバート・ラズロ・バラバシ,青木薫出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2002/12/26メディア: 単行本購入: 40人 クリック: 594…

20年後のワトソン

昨日の9時からのNHKのニュース番組で、DNA二重らせんの発見者の一人ジェームズ・ワトソンの来日が報道され、立花隆によるインタビューが流された。生物学のhubに存在する大立者の話なので、興味深く聞いた。 ・近い将来に全ての人が自分のゲノムを知る時代…

トリックのレベルはさらに上だが

楽しみにしていた東野圭吾の新作「聖女の救済」を読んだ。聖女の救済作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/10/23メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 60回この商品を含むブログ (249件) を見る快作と言っていいが、評価はちと難しい。トリ…

「マイナス」×「マイナス」がなぜ「プラス」になるか

学生時代には自分は数学ができると思っていた。しかしそれから二十年近くたって、仕事の必要上、シミュレーションや数理モデル作りをするために改めて数理科学に向き合うとどうもぴんとこない。どうも自分が得意だったのでは実験数学で、「数学感覚」とは遠…

はじめて知る仏教

整体に行った帰りにわき道に入ると、刈った稲を干している田んぼがあった。この前通った時はまだ稲刈り前だったので、季節は着実に進んでいるわけだ。そろそろ来年の手帳や日記も売っているし。2008年もあと2月半だが、まだまだいろいろありそうだし、個人…

死生観を問いなおす

宮崎哲弥推薦の広井良典「死生観を問いなおす」を読む。死生観を問いなおす (ちくま新書)作者: 広井良典出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2001/11/01メディア: 新書購入: 5人 クリック: 52回この商品を含むブログ (15件) を見る時間についての考察を導きの…

金融危機と世間知

この1週間の株価暴落は歴史に残るのだろう、と思いながら8時からのNHKスペシャルを見はじめた。わが家のささやかな資産も今回の金融危機で1/4がどこかに行ってしまった。わが家の資産管理は私がやっているので、「状況はつかんでおかんとな」という気持で…

確率的発想法

小島寛之の「確率的発想法」を読む。確率的発想法~数学を日常に活かす作者: 小島寛之出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2004/02/29メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 60人 クリック: 218回この商品を含むブログ (88件) を見る美味しいところがいろいろあ…

GFPの沁みる話

柳田充弘先生のブログは当然のように愛読していますが、今日のブログは沁みました。 ノーベル化学賞がGFPに与えられた陰で、GFPの遺伝子をとってきた人物はバスの運転手をしているそうです。 http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=95545761…

大学院の講義

今日の午後は大学院の講義。軸索ガイダンスについての概説といくつかのトピックを話した後、ここ数年やってきた神経突起進展のシグナル伝達の解析とモデルについて説明する。2コマ(3時間)の使い方がわかっていなかったので、前半を熱を入れてゆっくり語…