エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

SF

通奏低音としての核戦争

SF

暖かい正月。箱根を走る選手も今年は寒そうに見えない。散歩する道にいつの間にか水仙が咲いているし、おそらく花粉も早めに飛ぶので早めに準備をしたほうがいいだろう。 クリフォード・D・シマックの「中継ステーション」を読む。中継ステーション〔新訳版…

エレガントな宇宙の不在と希望

SF

午前中、膜融合の専門家に会って常日頃疑問に思っていることをいろいろ教えてもらった。おかげでイメージング技術の限界で手が出せないあたりがかなりはっきりイメージできた。 生物学研究者出身のSF作家 瀬名秀明の第一短編集の表題作が「希望」。この手のS…

地球移動作戦

SF

明日からSociety for Neuroscienceがあるので、今朝学生さんと2人でシカゴにやってきた。まずは眠気覚ましにシカゴ美術館にいき、その後繁華街をぶらぶらしていたら、5時を過ぎて急に体感温度がぐんぐん下がってきたので、晩御飯はクラムチャウダーを食べ…

歴史改変SF&70年代風のハードボイルド

SF

今日は台風のせいか何とも蒸すなあと思いながら仕事をしていたが、帰ってニュースを見たら兵庫や岡山で大変なことになっている。そういえば暑さを実感するまもなく立秋になってしまった。 マイケル・シェイボンの「ユダヤ警官同盟」を読む。ユダヤ警官同盟〈…

新世界より

SF

とうとう日本国内での新型インフルエンザの流行がはじまったようだ。大阪の高校出の流行を水際で止めたと思ったら、神戸高校で火がつき、次は大阪・茨木。関西は意外に狭いし、鉄道が四通八通して人の行き来も多いので、大阪、神戸ではやり始めたら、ここ京…

アッチェレランド

SF

鴨川べりは桜が満開。下の子の小学校の入学式が満開と重なり、うれしい気分になる。日和に誘われて、実験の待ち時間に川べりに出て、陽射しをあびながらBIGENを聴く。いい心持ちである。チャールズ・ストロスの「アッチェレランド」を読む。アッチェレランド…

くらやみの速さはどれくらい

2004年のネビュラ賞受賞のSF「くらやみの速さはどれくらい」(エリザベス・ムーン)を読んだ。くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)作者: エリザベス・ムーン,小尾芙佐出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/12/10メディア: 文庫購入: 3人 …

冬至草

SF

京大医学部で行われた「脳のセミナー」に初めて出てみる。今日の演者は東北大のM先生。題目は「問題解決の視点からの前頭葉機能」。3時間にわたっての、途中質問ありで徹底的に突っ込んでの講演である。問題から解答への前頭前野での状態転移において、ある…

異形のビルドゥングスロマン

SF

今日、研究室の人事異動が発表された。教授の苦心がわかる人事だった。とにかく人を動かすことは難しいのだと最近つくづく思う。ほぼ常に、自己評価が客観的評価より高いことから考えると、結局全ての人が納得する人事はないのだから。ジョン・スコルジーの…

モントレーから帰る

カリフォルニア・モントレーで開かれたISDN2008(国際神経発生学会)に参加してきた。太平洋岸に広がったコテージ群に囲まれた会議場に缶詰状態の4日間だった。参加者は300人ほどなので、適度にいろいろな人と話ができて4日間快適に過ごせた。神経発生…