エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

神義論

バート・D・アーマンの「破綻した神キリスト」を読む。破綻した神キリスト作者: バート・D.アーマン,Bart D. Ehrman,松田和也出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2008/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 49回この商品を含むブログ (9件) を見るアーマンは…

ドーキンスが語るグールド

リチャード・ドーキンスの初めてのエッセイ集「悪魔に仕える牧師」悪魔に仕える牧師作者: リチャード・ドーキンス,垂水雄二出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/04/23メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 51回この商品を含むブログ (57件) を見る私はあ…

のぼうの城

「のぼうの城」は値段(1575円)分は十分楽しめる時代小説。のぼうの城作者: 和田竜出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/11/28メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 186回この商品を含むブログ (371件) を見る豊臣秀吉の北条攻めの際に、ただひとつ落城しな…

自然をありのまま見ない鍛錬

今日は雨から曇りの天気。下の子が熱を出したりしたこともあって、外に出ずにごろごろ過ごす。佐藤文隆「孤独になったアインシュタイン」を読む。孤独になったアインシュタイン (グーテンベルクの森)作者: 佐藤文隆出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/02…

言語という障害

今日は朝から梅雨の走りのような雨。午後から近くのコンサートホールへパイプオルガンを聞きに行った。札幌コンサートホール専属オルガニストのシルヴァン・エリ氏。バッハから20世紀音楽までの13曲。なんだか随分行儀の良い人だった。演奏は熱のこもっ…

歴史は貪欲に「正のエントロピーを食べている系」だ

松岡正剛の「知の編集工学」を読む。知の編集工学―情報は、ひとりでいられない。作者: 松岡正剛出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 1996/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る情報整理のハウツー本ではない。方法論の形を借りた世界観の提…

祇園の整体

昨日の晩、嫁さんが口コミで探してきた祇園の整体「クリケット」に行ってきた。Googleでone hitもないwonderlandである。「クリケット」は花見小路を2度折れたところにあった。整体師のSさんは50歳くらい。20年前には京大の医療短大にいたことがあるら…

長射程の告発

医療ミステリーという分野がある。ときどき読む。誰かのブログで薦められて読んだのが、久坂部羊の「破裂」だ。破裂作者: 久坂部羊出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2004/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 37回この商品を含むブログ (68件) を見る現役…

述語的統一による世界像

今日は一日、いい天気で若葉の緑が美しい。大文字山を背景にポプラの葉が風に翻る。一週間の仕事で疲れ気味の目に優しい風景だ。述語的統一による世界像とは、「どのように」を基軸に現象世界を見ることである。モノとその属性の間の主従関係を逆転して、さ…

the quantum-classical transition

5月1日号のNatureに面白い記事が出ていた。"Quantum all the way" by Philip Ball古典力学的世界観では、モノは同時に2つの状態はとれない。'either/or' である。これに対して、量子力学的世界観では、モノは平然と2つの状態をとる。'both/and'である。言…

人に優しい本

私は梅田望夫のファンである。このブログをはじめた理由の1/3は梅田望夫の本に感じるところがあったからだ。とにかくその前向きさに励まされる。というわけで齋藤孝との対談「私塾のすすめ」を早速読んだ。私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書…

数学する精神

夜になってから降り出すと思っていた雨が、夕方には強く降り始めた。五日前に2章だけ読んだ「数学する精神」を読了。数学する精神―正しさの創造、美しさの発見 (中公新書 1912)作者: 加藤文元出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/09/01メディア: 新書…

茂木健一郎と脳と量子力学

昨日の夕方、先々週に放送された仕事プロフェッショナル特別編「茂木健一郎」をビデオに録っていたものを観た。記憶術、集中術、人の育て方など。テンションの高さに感心した。人の育て方については感じるところがあった。すかさずほめる、とにかくほめるの…

ポパーへのカウンターパンチ

雨は朝には上がり、今は目の前の庭に日が差している。朝顔の種はまだ芽を出さない。今日は早くから起きて、懸案だった「方法への挑戦」をじっくり読む。方法への挑戦―科学的創造と知のアナーキズム作者: ポール・K.ファイヤアーベント,Paul K. Feyerabend,村…

研究者として生きることを促す本

今日は雨なので内省的に過ごす。南木佳士の「天地有情」である。8年前の夏に、この本を読んだ。お盆で休みをとっていた時のことだった。宇宙は自ら進化した―ダーウィンから量子重力理論へ作者: リースモーリン,Lee Smolin,野本陽代出版社/メーカー: 日本放送…

脳は空より広いか

脳は空より広いか―「私」という現象を考える作者: ジェラルド M.エーデルマン,冬樹純子,豊嶋良一,小山毅,高畑圭輔出版社/メーカー: 草思社発売日: 2006/12/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 81回この商品を含むブログ (46件) を見る詩的なタイトルだが…

アキレスと亀

本日付のN誌に自分達のグループの論文が掲載された。top journalに論文が出るのははじめてなのでうれしいことである。もっとも受理されて2ヶ月経ったので最初の興奮はほぼなくなった。チャンスはピンチ、ピンチはチャンスと思いたい。昼食後、生協の本屋を…

オバマ対クリントン

アメリカ大統領選挙民主党予備選はまた決着が持ち越されたようだ。資金難にもかかわらずヒラリー・クリントンが強気に踏みとどまっているが、機会はこれが最後かもという気持ちからだろうか。バラク・オバマについてはどこかのブログで「合衆国再生」合衆国…

連休最終日に整体に行ってみる

今日で連休もおしまい。予定どおり整体に行ってみる。松ヶ崎にある「らくや」という整体所である。H師匠と話をしているときに、どうも最近集中が続かなくなって困っているということを話したところ、それはリラックスできていないのが原因だ、それならいい方…

知的生活者のマニフェスト

職業は分子神経科学者と名のっている。職業との積極的関係ははっきりしないが、自分のことを知的生活者だと思っている。高校生の時に渡部昇一の「知的生活のすすめ」を読み、好きが高じて、それをねたにスピーチコンテストに出た時以来であるから25年を過ぎ…

成長・円錐日記をはじめる

5月の連休中に天気の良い日を選んで大文字山に登る(といっても2回目だが)。昨年の登山では大文字のところまで行くと体力の80%を使った感じだったので、1年間でどれくらい体力が増減したかのcheckのつもり。30分で大文字到着。疲労度は昨年と同程度、時…