エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

心は遺伝子の論理で決まるのか

勤務先の大学院には副指導教員という制度があり、いわゆる指導教員のほかに2人の教員が研究や生活面などの相談にのることになっている。今年は博士1年の学生さんの副指導にあたることになり、今日早速1時間ほど話をした。その学生さんは神経回路の研究を…

沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史

昨日、座禅会に2度目の参加。雨も降って内省的な雰囲気。だが瞑想境にはなかなか入れない。足の痛みがない分だけ、つまらない考えが泡のようにつながって湧いてくる。でもおかげでさっぱりしてよく眠れた。佐野眞一の「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後…

こんな日本でよかったね

昨日は研究室の新人歓迎会。幹事が硬骨男性に変わったので、「すき焼き食べ放題」というガッツリ系の宴会になった。飲み放題もついて4200円なのは宴会専用店だからだろう。若い人はよく食べる。こちらはバランスよく適当につまんでいたつもりだったが、場の…

意識の存在理由

ここしばらくM2の学生さんと彼の進路について相談している。彼はもともと意識とか自己といったものに興味があって神経科学を志したのだが、学部4年の時の卒業研究でそちら寄りのラボに行き、何だか違う(あるいは、これでは食っていけそうにない)と思って…

科学の世界と心の哲学

昨晩は10年ぶりに鳥取大学のO先生に会って、北白川の小料理屋で4時間くらい四方山話で過ごした。酒はビールと秋田の太平山。久しぶりに適量以上を飲んで、午前中は軽い二日酔い。小林道夫の「科学の世界と心の哲学」を読む。科学の世界と心の哲学―心は科…

スタッズ・ターケル

桜が終わったと思っていたら、大学への行き帰りの道に花水木が咲いている。赤と白と交互に植えているので、自転車で走り抜けるといいリズムである。スタッズ・ターケルの「希望ー行動する人々」を読む。希望―行動する人々 (文春文庫)作者: スタッズターケル,…

「無」のリアリティ

昨年の秋、井筒俊彦の「意識と本質」を読んで、禅の哲学的意味を少しかじれた気がした。 http://d.hatena.ne.jp/tnakamr/20080923/1222146172そうすると、次には「実際にやってみるとどうだろう」と考えるようになり、手軽に座禅ができるとことがないかと探…

Nature via Nurture

朝、不意に思い立って、嫁さんと龍安寺に桜を見にでかけた。あの石庭に前方からかぶさるようにして枝垂桜が咲いている写真を見たとき、「次は桜の季節に来よう」と思ったのを思い出したからだ。枝垂桜は満開で、石庭にはなやかな蔭を落としている。少しばか…

松岡正剛の「多読術」

私は、自分の人生の目的(の少なくともひとつ)は、「読書家になること」だと思っている。なので、希代の読書家が読書法を語る本にはいつも興味津々である。新聞で松岡正剛の「多読術」の広告を見つけたので、早速生協書店に行って買ってきた。多読術 (ちく…

アッチェレランド

SF

鴨川べりは桜が満開。下の子の小学校の入学式が満開と重なり、うれしい気分になる。日和に誘われて、実験の待ち時間に川べりに出て、陽射しをあびながらBIGENを聴く。いい心持ちである。チャールズ・ストロスの「アッチェレランド」を読む。アッチェレランド…

Quantum Monadlogy

川沿いのサクラがそろそろ見ごろで、午後からの雨にもかかわらず散歩する人が結構いる。川べりには菜の花も咲いている。中込照明の「唯心論物理学の誕生」を読む。唯心論物理学の誕生―モナド・量子力学・相対性理論の統一モデルと観測問題の解決作者: 中込照…