エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

あちら側の世界

来週は、東京で神経科学会大会がある。トークの予定が入っているが、夏物のスーツに合わせるネクタイがないので、四条河原町高島屋に買いに行く。5千円のネクタイを2本買う。ジュンク堂をのぞいて、高島屋の地下で「ベーグル・ベーグル」のベーグルを買って帰る。実は、ベーグル・ベーグルの社長のH君は高校の同級生でおまけに3年間同じクラス。ときどきメールでやり取りする仲だ。高校の時は、まさか実業界で成功するタイプには見えなかったが、あとでインタビュー記事を読んで、家族背景を知り納得。血は大事です。

ジュンク堂で買ってきた「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」を読む。

小飼弾のアルファギークに逢ってきた (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

小飼弾のアルファギークに逢ってきた (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

私はMATLABGENESISをおそるおそる触っている程度なので、まるきりあちら側の世界の話なのだが、熱気が伝わってきてわくわくしながら読めた。私の業界にはこれほどの熱気は(アルコールの力でも借りなければ)ないな、というのが感想。うらやましいが、まあ静かに生活できるのも悪くないので、やありあちら側の世界である。

「今まで何度も失敗してきているのに、落ち込みっぱなしにならなかった秘訣は?」と聞かれたEvan Williamsの返事。
「私が失敗しても下りずに済んできたのは、諦めの悪さかな。失敗すれば落ち込むけど、失敗というより、過程なんだねよね、うまくいくための。失敗しなきゃ、何も分からない」

深く共感。このことを一緒に仕事をしている学生さんにわかってほしい。

積読だったJulian Barbourの"The End ofTime"を読み始める。

The End of Time: The Next Revolution in Physics

The End of Time: The Next Revolution in Physics

いきなり時間は幻想である。それを説明するのがこの本の目的である、と書いてある。怖い。リー・スモーリンの強い推薦でなければトンデモ本扱いして早々に退散したかもしれない。うかつに読み進めない文章なので、どうにか1章読み終わる。これはしばらくかかりそう。いろいろ考えながら読める本なので、つまらない本を百冊読むよりもずっと面白い。これで夏休みを過ごすネタができたというものだ。