鴨川べりは桜が満開。下の子の小学校の入学式が満開と重なり、うれしい気分になる。日和に誘われて、実験の待ち時間に川べりに出て、陽射しをあびながらBIGENを聴く。いい心持ちである。
チャールズ・ストロスの「アッチェレランド」を読む。
- 作者: チャールズ・ストロス,酒井昭伸
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: 単行本
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2006年のローカス賞受賞作。2010年代からの90年間にわたる三世代の主人公の年代記。人類の宇宙進出史としても読めるだろう。といっても、ポストヒューマンにあたる新知性がどんどん現れて、実にダイナミックである。情報科学的および経済学的な想像力をいっぱいに広げた物語になっているので、同じようなテーマのこれまでのSF作品と違う魅力がある。
特に、この作品を際立ったものにしているのは、前半3分の1の、「サイバーパンク2.0」というべき部分だろう。話はスムースに流れず、奇妙で雑多なアイデアがつぎつぎと繰り出されて、なかなか話の行方が見えない。そしてその抵抗感は新鮮で独特なものだ。
27世紀に設定された続編"Glasshouse"の訳出が楽しみ。