昨日、座禅会に2度目の参加。雨も降って内省的な雰囲気。だが瞑想境にはなかなか入れない。足の痛みがない分だけ、つまらない考えが泡のようにつながって湧いてくる。でもおかげでさっぱりしてよく眠れた。
佐野眞一の「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」を読む。
- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
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沖縄には2年前に家族ででかけた。首里城に行き、リゾートホテルに泊まり、美ら海水族館で遊んだ。子どもをホテルのプールで遊ばせながら、プールサイドで村上春樹訳の「ロンググッドバイ」を読んで過ごした。実に楽しくて、「ここで働けたらなあ」などと考えた。南の島など、大体はそんなものだ。
佐野眞一のこの本は、題名どおり、南の島を賛美するものではない。最近の満州もの2冊と対をなして、現代日本を逆照射するのが狙いだという。満州−沖縄−戦後日本というゆがんだ時空に浮かぶ三角形のイメージ。
その構想どおり、この本の沖縄は見事にゆがみねじれ、発熱している。
1.天皇・米軍・沖縄県警
2.沖縄アンダーグラウンド
3.沖縄の怪人・猛女・パワーエリート
4.踊る琉球、歌う沖縄
5.今日の沖縄・明日の沖縄
大阪から来たという伝説のマチ金業者Mへのインタビュー
「最後に沖縄に骨を埋めるつもりですか、と尋ねると、Mから思わぬ答えが返ってきた。
「いや、ヤマトに帰ります。沖縄は何かというと祝い事で金がかかって、うっとうしくてかないません」
ヤミ金の世界で悪行の限りを尽くしてきたMが音をあげる。沖縄社会の底にたゆとう親和力の闇は、都銀を必要とせず、マチ金さえ飲み込むほど深いのか。
もし沖縄を楽園というなら、それは善意も悪意も混沌の闇の中に引きずり込んで溶かし込む、蟻地獄にも似た貧しくも豊かな熱帯の楽園である」
沖縄大学院大学(の準備団体)でラボを持った後輩のS君にちょっと読んでもらいたいような本。