エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

いかにして問題をとくか

このブログを書くそもそものきっかけになった大学時代からの友人と自由が丘のワインバーに行く。自由が丘は十数年前に一度来たきりなので、こんなに道が狭い町だったかと驚いた。


ポリアの「いかにして問題をとくか」を読む。

いかにして問題をとくか

いかにして問題をとくか


NHKで取り上げられたそうで、日垣さんのブログでも長年の愛読書として強く推奨されていたので、好奇心から読んでみた。
確かに良書。「数学を学ぶ学生にどうやって数学を教えるか」というのが狭い意味での対象だが、いろいろと応用がききそうだというのは、日垣さんの言うとおり。


「ちょっと形のちがう、似寄りの問題をみたことがあるか、関連した問題をしっている。問題に含まれた、全ての本質的な概念を考慮に入れたか。全てのデータをつかったか、全ての条件をつかったか。与えられた問題がとけなかったならば、何かそれに似た問題をとこうと努めるべきである」
「われわれの仕事には問題を変化させることが必要である。われわれは問題の要素を分解、結合させ、あるいは又そこに現れる言葉の定義にたちかえり、一般化、特殊化もしくは類推によって変化させることができる。問題を変化させることによって補助要素を導きいれ、あるいは又少しやさしい補助問題を発見することもできる」
「にかく数学の教師も学生も、未知のものをよく見よ!そうして未知のものが同じか、または良く似た、みなれた問題を思い起こせ、という注意に耳を傾けるべきである」


「全てのデータを使ったか。全ての条件を使ったか」というのは実測データから数理モデルを作るのに常に意識しなければならない点だというのは昨日友人から聞いたばかりで、そのあたりは悪い問題と良い問題の分かれ道になるので、確かに大変要注意。