エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

言葉の根幹は沈黙だそうだ

今週に入ってからどうも右の背中が痛い。4年ぶりの尿管結石の疑いあり。昨日、近くの病院の泌尿器科に行ったら、エコーでは見えなかったが、尿に少し出血が見られるということで、今日、造影剤を点滴して、レントゲン検査をした。やはり人間40歳を過ぎるとあちこち不調が出てくるものだ。とりあえず仕事には差し支えないものの、冴えない。

文芸春秋7月号に、吉本隆明が「「蟹工船」と新貧困社会」という題で、社会評論+文芸批評という感じで数ページ書いている。私は吉本隆明のいい読者ではない。どうもあの文章のテンションに違和感があってなじめなかったが、この文章はすんなりと頭に入ってきた。なるほど骨の髄からのインテリはこういう文章を掻くのかと思った。

「言葉はコミュニケーションの手段や機能ではない。それは枝葉の問題であって、根幹は沈黙だよ、と。
沈黙とは、内心の言葉を主体とし、自己が自己と問答することです。自分が心の中で自分に言葉を発し、問いかけることが、まず根底にあるんです。本質は沈黙にあるということ、そのことを徹底的に考えること、僕が若い人に言えるとしたら、それしかありません。」

うーむ、というのが感想。でも、これが父親だいう状況だと少しく閉口するだろうな、やはり。