エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

科学論

いままで以上に世界の一部になるということ

土井珈琲からグァテマラ・イエローブルボンという小ロットの豆を買って飲んだら美味しくて、二杯も三杯も飲んでしまう。苦味がなくて味に膨らみがある。これでもう少し甘味があると本当に完璧。 ニコラス・カーの「オートメーション・バカ」を読む。オートメ…

未来予測をわらえ

研究室の大掃除と忘年会が終わり、今日の昼までに年賀状も済ませて、遅ればせながら新年を迎える気分に転換です。 久しぶりに小飼弾さんのブログを見たところ、新著(数学者の神永さんとの共著)の話が出ていた。checkしたら面白そうだったので注文したとこ…

確率は、反復の枷を逃れて一度きりのものになる

夕日が裏の森の紅葉を照らし出しているのを見ると、いろいろなもやもやを忘れる。 シャロン・バーチュ・マグレインの「異端の統計学ベイズ」を読む。異端の統計学 ベイズ作者: シャロン・バーチュマグレイン,Sharon Bertsch McGrayne,冨永星出版社/メーカー:…

クロード・シャノンとその伝説

庭の鉢の赤い花が咲いていて、そろそろ晩夏になるのかと思う。 ジョン・ガードナーの「世界の技術を支配するベル研究所の興亡」を読む。世界の技術を支配する ベル研究所の興亡作者: ジョン・ガートナー,土方奈美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/06/2…

エンジニアリング

先日、Y財団の交歓会に参加した。正八面体の錯体の自己集合過程を計測する大変独自な方法を開発したchemistのtalkを聞いて大変感心する。報告の後の懇談会でよもやま話をしていて、「うまくいっていることを確認する方法があいまいなので、新しい実験系の開…

合理性と合理的な批判を擁護するために

金曜日、仕事を早めに終えて、国立劇場へ文楽を観に行く。傾城反魂香、艶容女舞衣、壇浦兜軍記。住太夫さんはお元気だったし、吉田蓑助のお園は想像以上に良かった。初夏の夜の爽やかな空気。 カール・ポパーの「フレームワークの神話」を読む。フレームワー…