エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

ビジネス書もそれなりにいいものだ

今日は梅雨の中休み。自転車で高野川べりを走ると風が気持ちよい。

ビジネス書は全く守備範囲外だったが、たまたま勝間和代の本を読んだら面白くて、新刊も買ってしまった。「ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」

研究をする上でアイデアはもっとも大事なものだ。私のやり方は、特定の方法論を持たずにひたすら考え続けて、無意識の世界でぎゅっとアイデアがまとまってくるのを待つというやり方だった。ひたすら考え続ける体力があるうちはこれでよかったが、40歳を超えると、集中力の持続が落ちてきて、この方法の限界を感じてきた。というわけで、発想法の本を読んだりして、アイデアを出すための系統的な方法論を探している。そういう意味で、勝間和代のこの本はかなり参考になった。

論理思考力、水平思考力、視覚化力、数字力、言語力、知的体力、偶然力。特に最初の5つは膝をうつことがしばしばあった。特に、画像と数字と言語の使い分けがいかに大事かというくだりは説得力があった。

「「真実は細部に宿る」とは、コンサルティング時代のさまざまな上司から繰り返し繰り返し言われたことです。細かく、わかりやすくしてはじめて、次のステップにつながります」
「失敗のプロセスそのものが思考の過程である」
「さまざまなものを画像のままイメージし、画像のまま処理するという習慣をつけることをおすすめします」
「言葉というのは、ある意味非常に曖昧なものだからです」

研究者は世間知らずでよかった時代はとうに過ぎ去り、研究者も自分と研究室をいかにマネージメントするかがどんどん大事になってきている。私も何とか3年後には自分の研究室を持ちたいと思って、マネージメントを意識するようになった。その意味で最近ぴたりときたのが、坪田一男の「理系のための人生設計ガイド」。

理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

帯の山中伸弥推薦の文字で思わず買ってしまったブルーバックスだったが、当たりだった。教授選にでるための推薦書の見本というものをはじめて見た。

そういった実戦的アドバイスが山盛りだが、ところどころで心に響く言葉もある。
「ミッションとはすでにいま自分がやっているもので、それを言葉におきかえて、自覚し集中することでさらに人生が深まる。自分でも納得するし、力が出る」
「三振を恐れず打席に立ち続ける」
「自分と反対の意見を言ってくれる人こそ、大切にする気持ちが重要なのだ」