エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

原色の感情

半年ぶりに日本橋まで文楽を見に行く。鑓の権三重帷子。三味線を聞くと体がしゃんとする。文楽の中にあるのは原色の感情、いろいろな混じり物がされる前の感情だと思う。それがたとえ不条理で不合理なものだとしても、原色の感情は心に直接飛び込んでくる。

京阪で出町柳まで戻り、地上に出ると見事な夕焼けだった。糺の森の向こうに茜色が広がる。平原綾香の「晩夏」を聴きながら歩いてかえる。

晩夏(ひとりの季節)/いのちの名前

晩夏(ひとりの季節)/いのちの名前

勝間和代のお勧め本齋藤嘉則の「問題解決プロフェッショナル」を読む。最近、研究室とは経営するものだと思っているので、ビジネス本も読めるようになった。

問題解決プロフェッショナル「思考と技術」

問題解決プロフェッショナル「思考と技術」

キーワードは「ゼロベース思考」「仮説思考」「MECE」「ロジックツリー」。「MECE」と「ロジックツリー」は勝間本に良く出てくるので馴染みがある。

「<ゼロベース思考>とは文字どおり「ゼロベースで物事を考える=「既成の枠」を取り外す」ということ。<仮説思考>とは「常にその時点での結論を持ってアクションを起こす」ということだ」

「最初は的を外しても、常にアクションに結びつく結論を持つということを心がけると、確実に精度は上がる。さして、ビジネス上の自己実現率は確実に向上するはずだ。経営コンサルタント会社の新人コンサルタントはまず、SO WHAT?の嵐のような質問攻めを乗りきらなければならない。結論をいえない人に対して私がよく行う質問は、「理由や理屈は忘れていいから、とにかく何がいちばん言いたいの?何をすればいいの?」である。そして、思いつきでも相手がアクションに結びつくような結論を言うと、矢継ぎ早に「どうしてそう思うの?」と理由や理屈を尋ねる、「理由や理屈を整理して結論を述べよ」と三段論法式の聞き方をすると黙り込んでしまう場合でも、このようにはじめに結論から聞くと、結構何かしら言えるものだ。試してみるといい。ビジネスの現場では1つの具体的結論が100の評論に勝ることを肝に銘じてほしい」

でも同じことを書いていても勝間本の方が頭への吸収がいいのはなぜだろう。筆力といってしまえばそれまでだが。わからせたいという気迫の違いという気もする。