エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

計算機の哲学 computer-enhanced phylosophy

1)正確な表現ではないが客観的存在と主観的存在にわけるとすると、まず主観は現象学的経験からわかるとおり、「夢か現かわからない」がゆえに純粋な意味での(あるいは厳密な意味での)因果は存在しないという主張が可能である。また客観も、それが存在であれば広い意味でのカオス理論(あるいは非線型世界理論とも言うべきもの)により、純粋な意味での因果は存在しないと主張が可能である。

 

純粋な意味での因果が存在しないのであれば、存在するのは因果モデルであろう。

 

2)ブラウアーの直観主義がうまく行かなかったことを今の視点から振り返ってみると、単に計算のパワーが足りなかっただけではないのだろうか。では今、計算機の力で新たな直観主義を成立させるには何があればいいか。

 難しさの性質というものを考えてみると、非線型科学と直観主義の間にある種の類似を感じる(勘であるが)。さてこれは偶然だろうか。