エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

カドヘリンと強烈な努力

昨日は研究科の若手の会の飲み会で、出町商店街のSに行った。結構しっかり飲んで4千円とリーズナブル。飲み会の8割は、W研で鳥の歌の学習の研究をしているAさんとひたすら「神経科学を根本的に変えるにはどうしたらいいか」を語り尽くした。AさんはCDBのセンター長のT先生のラボの出身なので、興味津々でいろいろT研究室について尋ねたのだが、聞けば聞くほど感心するばかりで、まことに参った。T先生は30台前半でカドヘリンに出会って、その道一筋30年である。テーマは天から降ってくるわけでなく、「自分で考えろ」が徹底されているそうで、プログレスで半年ノーデータでも、自分で考えている限り教授からの文句はつかないらしい。でもそれどこかで聞いた気がする。出身研究室がまさにそうだった。その辺は理学部だよね、ということで意見が一致する。30分かけて歩いて帰った。


そういえば、一昨日、吉田キャンパス新型インフルエンザの患者が出たらしい。対策についてはまだ何も(病院のニュースソースからも)聞こえてこない。休校になるのだろうか?


今日のクローズアップ現代は「藤沢秀行」。

「逃げない姿勢」「屈屈伸」「無悟」「強烈な努力」

第一期棋聖戦は、藤沢秀行橋本宇太郎。東と西。豪放磊落と緻密洒脱。韓信と陳平。もう30年前のことになるが、名勝負だった。

「逃げない姿勢」そうありたいとかつては思っていたが、大森荘蔵の著作に出会って、全く変わってしまった。大事なのは「天地有情」と思えることだ。

「無悟」たしかに囲碁も無限。サイエンスも無限。

「強烈な努力」これは全くそのとおりだと思う。人生は空かもしれないが、「ひたむきな努力はいつか報われる」という昔読んだ言葉をまだそのまま信じている。