エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

確率やら推定やら

2、3日前のNHKのニュースで機長がとった寒冷圏の映像を見た。地表がむき出しになってグリーンランドを見た時はさすがに唖然とした。

個人的には地球温暖化には懐疑的な気持を持っている。マスコミが出してくる典型的な映像には、後でたいてい裏があるということを知らされるのも大きいし、アル・ゴアを始めとして明らかに環境ビジネスに走っている勢力が目立つ。

人間が出すCO2うんぬんではなくて、単なる地球の大規模な気候変動と受け止めて、その方向で対策を考えるのが賢明ではないだろうか。

わかる数学書を書ける経済学者小島寛之の「使える!確率的思考」を読む。

使える!確率的思考 (ちくま新書)

使える!確率的思考 (ちくま新書)

確率には4つあるというのを不明にしてしらなかった。
①数学的確率(対称性から確率を捉える流儀)先験的確率ともいえるだろう
②頻度主義(データから確率を捉える流儀)
ここまでは学校で習う確率だ。
③主観的確率(具体的にはベイズ主義のこと)
④論理的確率(論理学で確率を捉える流儀)

④については知らないはずで、論理学によって確率を記述する方法は未開の段階で、現在も研究が進行中だそうだ。来世紀にはこの流儀がもっともポピュラーになる可能性もあるということで、確率はまだまだ生ものの学問らしい。

ベイズ推定についても1章を割いて分かりやすい説明を与えている。
ベイズ推定というのは、人類がふるくから持っていた不確実性に対する認識を、パスカル以降の確率論を使って、数値化したものだといってよいのだ」

ベイズ理論については例えばこのサイトは随分勉強になった。
http://hawaii.aist-nara.ac.jp/~shige-o/Tips/Bayes.html

あとがきでさらりと大事な事が書いてある
「確率において最も重要なことは、「扱っている対象の何と何を同一視し、何と何を区別するか」ということだ。つまり、「自然や社会をどう見るか」ということになる。その背後には、「ミクロの世界とマクロの世界がどういう風にリンクしているのか」という大問題が影を落としていることがわかる。