エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

オートファジーの謎

朝、思い立って湯島天神にでかける。季節がらか、9時過ぎというのに親子連れの参拝客が沢山いた。


水島昇の「オートファジーの謎」を読む。

細胞が自分を食べる オートファジーの謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)

細胞が自分を食べる オートファジーの謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)

オートファジーが大ブレイクしたのは12、3年前だったと思うが、ついに一般書としてとりあげられることになったかとある種の感慨がある。一般書とはいえ、さすがこの分野のメインプレーヤーの一人である水島先生の書いたものだけあって、レベルは高く、勉強になった。

「リソソームという分解工場が本書の主役である。『オートファジー』とは、細胞自身の細胞質成分をリソソームで分解する作業にほかならないからである」

一応、細胞内輸送業界の隅っこにはいるつもりだが、不勉強でオートファジーをここまで明確に定義づけて考えたことがなかった。とはいえ、mTORやら何やらでてきてこの分野は過熱ぎみなのでなかなかうっかりは入っていけない。