ノーム・チョムスキーの「アメリカを占拠せよ」「すばらしきアメリカ帝国」を読む。
- 作者: ノームチョムスキー,Noam Chomsky,松本剛史
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: 新書
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- 作者: ノームチョムスキー,Noam Chomsky,岡崎玲子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
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9.11からイラク戦争までの間に、サイードやチョムスキーの発言が新聞に取り上げられる機会が何度かあったのを覚えている。チョムスキーについては「生成文法の生みの親」程度のごく一般的な理解しかなかったので、彼がキャリアの最初の最初から社会運動に身を投じて来たことを全く知らなかった。「すばらしきアメリカ帝国」の第8章は彼が受けた教育がいかに彼を作って言ったかを短いインタビューで的確に描き出している。
イラク戦争についての批判からかなりが経ってふとチョムスキーの本を読んでみようと思ったのは、、「オバマの再選運動についての政策を精査して「これは共和党の政策と本質的に同じ」という判断した」という最近の彼の発言を目にしたからだ。そういうタイミングで図書館でたまたま「すばらしきアメリカ帝国」を見つけて借りてきた。あっという間に引き込まれて、アマゾンで4、5冊注文して片端から読んでいるが、中でも当分心に残りそうなのが、「アメリカを占拠せよ」である。この本のあちこちには何かしら懐かしい気持ちをかきたてる言葉が転がっている。中でも5章「ハワード・ジンの思い出」は出色だった。もちろんこの本を文学としてとらえるつもりはないが、言語学の肝をつかんでいるからなのか、チョムスキーの言葉はこちらの心に入ってくる。
そのレトリックは「すばらしきアメリカ帝国」を力のある本にしている。真っ当とは何かを考えさせられた。