エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

研究コミュニティにおける中国人のpresenceについて

私の研究上のアイドルは、神経科学ではMoo Ming PooとG. Buzakiと(陳腐だが)Cajalなので、中国の方々の能力を高く評価している。また、文学の中で最も愛好するもののひとつは漢詩で、中でも杜甫屈原には常に共感を覚えてきた。


最近、米国でラボを持っているある方から気になることを聞いた。
「日本人PIのラボは、日本人で固めると優秀な欧米人が来なくなるので、多くの場合、日本人は3分の1以下で、多くても半数である。もちろん共通言語は英語で、しばしば日本人同士も英語で話す。これに対し、個人的に知っている中国人PIのラボは、ほとんど(多くの場合)全部が中国人である。なぜなら、中国の学生にせよ、PDにせよ、あとからあとからapplyが来るので、わざわざ他の国の人を採る必要がないから。ただし、中国人PIの判断は多くの場合、非常にシビアで「できない」レッテルが貼られると、1年未満で首になる。首にしてもすぐに次の応募者が現れるからだ。その激しい生存競争を勝ち抜いたものだけが、同じラボに長くいて、異常に高い生産性を発揮して、研究コミュニティにおける中国人のpresenceはみるみる上昇した」


これから何を学び、何を選び、どう考えるのか?
常に歴史の中で考え、個人も、イベントも見ることなく、どうやって「正しい」判断を形成できるのか。
おそらく真の難問はこれであろう。


先週の金曜日から娘の家庭教師が来ている。Good luck。