新米教授の研究室にも3人の卒研生が入ってきて、模索しながら立ち上げ中。例えば、最近の宿題のひとつは「なんで毎日研究室に9時にこなければいかないのか」をどう納得してもらおうか、ということだ。たまたま読んでいた内田樹の「ひとりでは生きられないのも芸のうち」を読んでいて、ああこういうことなのか、と自分なりに意識化できた。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/01/30
- メディア: 単行本
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「もし本当の意味で学生達に生涯にわたって労働し続けるモチベーションを賦活するような「キャリア教育」があるとすれば、それは「私の労働を喜びとする他者がいる、私からの労働の贈り物を嘉納してくれる他者がいる」という考え方を内面化することに尽くされると私は考えている。
自己利益の追求は人々が思っているほどにオールマイティなものではない。
もし「キャリア教育」というのが、十分な社会性を備えた共同体のフルメンバーを育て上げることを意味するのであれば、学生達の利己心を選択的に強化するような教育には害だけあって利がないと私は思う」
確かに、自分の気持ちや気分ばかり気にしているとなかなか充実感は味わえないが、相手の気持ちを考えながらひとのために動いていると幸福感が長続きする。