エヌ氏の成長・円錐

小胞輸送研究をはじめて18年めの分子神経科学者の日々雑感

谷村美月と京都

昔から演技上手といわれる女優が好きである。最初にいいなと思ったのは清水美砂。最近だと上野樹里。「ガラスの仮面」シンドロームとでもいったらいいのか。同病の方には、恩田陸の「チョコレートコスモス」を強くお勧めする。

チョコレートコスモス

チョコレートコスモス

さて、十代で演技派というと、私見では谷村美月である。緻密な演技派と評する人もいるし、独特の感性で演じる不思議派という評もある。大阪生まれの谷村美月が3日間にわたって京都を旅して、初恋の「お兄ちゃん」に会うというドキュメントムービーが「谷村美月17歳、京都着」だ。

谷村美月17歳、京都着。~恋が色づくその前に~ [DVD]

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谷村美月の背景を横切る京都のちょっとした片隅がcharmingである。住めばいろいろあらが見えてくるが、旅人の目で見ると、これだけ細部が美しい町はなかなかないだろう。そして、谷村美月の予測のつかない繊細さ(fragility)は京都を見知らぬ街のように変えてしまう。

結局、最も魅力的なのは人間だと思わせてくれる一本だった。