脳・神経
数字上の19世紀は1801年から1900年までだが、1789年のフランス革命から1914年の第1次世界大戦の始まりまでを「長い19世紀」とまとめて考えると腑に落ちるという話がある。一般的なレベルで個人が意識されるようになる端緒としてのフランス革命にはじまり、人…
情報理論は、クロード・シャノン@ベル研が空からつかみ出した。フロイトのアイデアは面白くもあり受け入れがたくもあるが、情報理論の視点から見ると、フロイトの唯一の誤りは、われわれの「心」を作り出している装置をエネルギー制御のシステム(あるいは…
なかなか晴れ間が見えてこないまま、そろそろお昼になる。 ロビン・ハンソンの「全脳エミュレーションの時代」を読む。 全脳エミュレーションの時代 作者: ロビン・ハンソン,小坂恵理 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 人工知能は長らく理系の…
音楽についても変分法的見方をすれば、絵画のように一望してその構造を眺め渡すことができるだろう。 これは、野矢先生の『眺望論』とどういう関係に立つだろうか。直接的は関わらないはずなのだが、意識の構造が変分法的なもの(無時間的なもの)とそうでな…
tnakamr.hatenablog.com 以下は、リー・スモーリンの「迷走する物理学」の一節。 「最近は、量子重力の研究をしている者はたいていが、因果性こそが根本だと−したがって、空間の概念が消えた水準でも意味をなすと−信じている。量子重力への取り組みで、これ…
情報理論は、クロード・シャノン@ベル研が空からつかみ出した。フロイトのアイデアは面白くもあり受け入れがたくもあるが、情報理論の視点から見ると、フロイトの唯一の誤りは、われわれの「心」の装置をエネルギー制御のシステムと考えたことにあるのだろ…
森博嗣の最近の作品のパロディ風に モデル構築とは、無数のモデルを逐次想定し把握し、それぞれの結果までの経路をトレースして、その結果を比較することで選ぶというプロセスをさす場合があるようだ。そこではデジタル的飛躍につづくアナログ的な(と見せか…
秋空の美しさはあの雲の形によるのだと思う。 「量子力学から熱力学第二法則を導出することに成功〜時間の矢の起源解明へ大きな一歩」 http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a1e326855ceb0a640f75c08d2c0fb423東大大学院工学研究科の沙川先生の研究室がPhysical…
秋晴れ。昼ごはんは早めに歩いて蕎麦屋に行って、ミニ穴子丼もり付きを食べる。彼岸花があちこちに咲いている。 私はシステム神経科学や認知心理学の畑の人間ではなく、隣の畑を耕す人間の立場で、意識の研究に注意を払ってきた。 その中で特に強く印象に残…
スポーツクラブへの行き帰りの道のさるすべりは片側はまだそれなりに花をつけているが、空はすっかり様子が変わった。 ジェイムズ・バラットの「人工知能 人類最悪にして最後の発明」を読む。人工知能 人類最悪にして最後の発明作者: ジェイムズ・バラット,…
スポーツクラブへの行き帰りの道にさるすべりの赤い花が咲いている。今日はそろそろ散り始めで赤い小山が続いている。 サテル&リリエンフェルドの「その脳科学にご用心」を読む。その〈脳科学〉にご用心: 脳画像で心はわかるのか作者: サリーサテル,スコッ…
評議員会で東京にでかける。懇親会で顕微鏡メーカーのKさんと少し話になる。顕微鏡もハードだけでなくソフトもやらないと食っていけないですよね、という話を聞いて、本当にそうだと思う。「でもソフトは四隅をアメリカに抑えられているから、(半端に)頑張…
昨日は遅ればせながらの子供の合格祝いで、久しぶりに目黒にとんかつを食べに行った。 開店30分前に着いたら誰もいなかったので「おかしいな」といいながらも並んでいたら、ものの15分で列ができて、いつもの混み具合になった。いつもどおりヒレカツ定食を…
土井珈琲からグァテマラ・イエローブルボンという小ロットの豆を買って飲んだら美味しくて、二杯も三杯も飲んでしまう。苦味がなくて味に膨らみがある。これでもう少し甘味があると本当に完璧。 ニコラス・カーの「オートメーション・バカ」を読む。オートメ…
無事に年賀状書きを終える。思い切ってプリンターを買い換えたので随分楽になった。 アンディ・クラークの「現れる存在」を読む。現れる存在―脳と身体と世界の再統合作者: アンディ・クラーク,池上高志,森本元太郎出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: …
朝早くから仕事をはじめ、気分転換に裏の公園の小道をとっつきまで行って戻ってくる。どんぐりが落ちている。 竹中均の「精神分析と自閉症」を読む。精神分析と自閉症 フロイトからヴィトゲンシュタインへ (講談社選書メチエ)作者: 竹中均出版社/メーカー: …
New Orleans8日目。一日日付を間違えていた。 午後はGordon Shepherdがorganizeしたminisymposiumを聞きに行った。 異常に若かったので驚いたが、"Synaptic Organizaiton of the Brain"の Gordonとは別人だとわかってほっとする。息子か? それにしても嗅球…
New Orleans5日目。今日も暑い。 圧倒的なlectureを2つ聞いてしまったので、飲みに行く気が失せて、まじめに学会のメモを整理し直す。 今年のGruber記念メダルはUCSFのJan先生夫妻で、記念講演も圧倒的だったが(ものを知らないのはこわいもので、Jan先生…
New Orleans3日目。カトリーナで運河のこことここが切れてこのあたりは数フィートまで水につかったとシャトルのドライバーに聞かされても「本当かよ」と思うような平和な景色である。会場は避難者でごったがえしていた大きなセンターだが、遠目には相変わら…
金曜日に新橋で古い友人に会っていろいろな話をした。変わらない友達というのはいいものである。 デイヴィッド・チャーマーズの「意識する心」を読む。意識する心―脳と精神の根本理論を求めて作者: デイヴィッド・J.チャーマーズ,David J. Chalmers,林一出版…
娘の古文と漢文の受験参考書選びに付き合う。ぱらぱらと見て、何だか随分様変わりしたという感じがする。もっとも大学の生協に並んでいる数学や物理の専門書も随分変わってきたので、今さら驚くことではないのだろう。 田中久美子の「記号と再帰」を読む。記…
水がないとは不便なもので、昨日は危うく風呂に入り損ねるところだった。 ニコラス・ハンフリーの「ソウルダスト」を読む。ソウルダスト――〈意識〉という魅惑の幻想作者: ニコラス・ハンフリー,柴田裕之出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2012/04/27メデ…
良い天気の日曜日。特にこともなく、一日ゆっくり過ごす。水遣りをしていたら沈丁花のつぼみがついているのに気がついた。 西川アサキの「魂と体、脳」を読む。魂と体、脳 計算機とドゥルーズで考える心身問題 (講談社選書メチエ)作者: 西川アサキ出版社/メ…
アイルランド音楽と朗読を聴きに行った。久しぶりに漱石の「夢十夜」の文章に触れた。 河野哲也の「意識は実在しない」を読む。意識は実在しない 心・知覚・自由 (講談社選書メチエ)作者: 河野哲也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/07/12メディア: 単行…
昨日の研究科講演会の帰りに大学の建物の脇を自転車で過ぎると、虫の音が聞こえる。暑い暑いと思ってもいつのまにか秋が来るのはいつもと同じ。 ロバート・バートンの「確信する脳」を読む。確信する脳---「知っている」とはどういうことか作者: ロバート・…
欧米の報道では福島原発はmeltdownしたという伝えられ方をしていたが、今日の午後のニュースは東電もそれを認めたという意味なのだろうか。学術会議の物理学部会からのお知らせなども来ているが、歯がゆい話だと思う。 キース・デブリンの「数学する遺伝子」…
5日間ほどイギリスから共同研究者が滞在していっていろいろ議論ができた。scienceの話はもちろん大変面白かったが、ベネチアの名家(foundersではないが50人委員会のメンバーらしい)出身という彼の話を聞いていると、ヨーロッパの上流階級の人間がどういう…
ニセコに移動。目抜き通りのあたりは日本離れした雰囲気でテレビでみたとおり。ただし、今日滑った人に聞くとここ数日は雪が降らず自慢のパウダースノー状態ではないそうだ。 新井紀子の「コンピュータが仕事を奪う」を読む。コンピュータが仕事を奪う作者: …
先週は仙台と和光に出張。仙台は雪が舞っていた。 ジャロン・ラニアーの「人間はガジェツトではない」を読む。人間はガジェットではない (ハヤカワ新書juice)作者: ジャロンラニアー,井口耕二出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/12/16メディア: 新書購入…
昨日は娘の代わりに湯島神社に絵馬を掛けに行った。帰りにシネスイッチ銀座にまわって「シチリア、シチリア」を見た。 マンフレート・シュピッツアーの「回路網の中の精神」を読む。脳 回路網のなかの精神―ニューラルネットが描く地図作者: マンフレートシュ…